何か歯に違和感があるという症状を引き起こしたことはありませんか?

歯に違和感

皆様、こんにちは。ゴールデンウィークは楽しまれておりますか?いろんなところでよき思い出を作ってきてくださいね。
私は、今年に保険の大幅な改訂が行われて、6月より実施されるのでその勉強に時間を割いております。保険の改正は10年前くらいから治療より予防が手厚くなってきました。病気の発生の防止、小児の口腔機能の発達の診断と訓練、高齢者の口腔機能低下の診断と訓練が整備されてきて、健康寿命を伸ばして医療費がかからないようにする流れが加速してきております。私たち一般歯科医もいろんなところと連携しながら診療所を出て、診療所にこれなくなった人に医療を施すことを国も求めていることが感じられました。設備のない場所で歯科治療や予防をおこなっていくことはなかなか大変ですが、それに応えるための準備や体制を作っていこうと取り組んでおります。
さて、皆さんは緊急に歯科医院を受診するほどではない軽度の痛みが出てきたり、歯の感覚がおかしい。うずくような、しみるような何か歯に違和感があるという症状を引き起こしたことはありませんか?
これは何が原因で起こるのか、どうしたらよいのかについて病名ごとに解説したいと思います。

①虫歯

一番疑われるのがこの原因です。虫歯があると歯は鈍く響いたり、重い感じがする、しみるなどのような違和感が生じます。初期では水や風がしみるような、冷刺激によって敏感に感じます。また、虫歯があるとものがはさまって刺激となる違和感も起こります。

②歯髄炎

虫歯を放置して進行させるとやがて虫歯の細菌が歯の神経の層に達して感染し、歯の神経の炎症を起こし始めます。瞬間的ですぐおさまるような違和感程度のしみる感じが、程度がひどくなり、さらに進行するとしみる感じが持続的になってきます。おもに冷たいもに反応していたものが熱いものにも反応するようになります。違和感がすぐにおさまらなくなったら歯髄炎になっている可能性があります。

③歯周病

歯周病を発症すると歯茎に炎症を起こして歯茎が痛痒くなって歯の違和感となって現れます。軽度のうちは歯茎から出血するだけですが、気になって強く歯茎にブラシをあててこすると歯茎に傷がついてそれをきっかけに違和感が出ることもあります。
歯周病が進行すると骨吸収が進み、歯が緩んでグラグラしてくると今度は伸びてきて上の歯と強くぶつかるようになりそのため違和感や軽度の痛みが出るようになります。また、噛む力を受け止められなくなってきて、よく噛めない、噛むと違和感が出るようになります。さらに放置すると、やがて歯茎があちこち腫れて出血し、時には膿が慢性的に出てきて、口腔内がいつも不快な状況になり、ときどき痛くなったりひどく歯茎が腫れてくるような急性期を繰り返すようになります。

④知覚過敏症

虫歯と間違われることがよくある病気です。おもに歯茎が下がって象牙質というエナメル質の最も硬い層の内面にある層が露出します。そこには象牙細管という構造があり、刺激をうけるとそこが影響を受けてしみるような痛みを感じてしまいます。とくに敏感なスポットができると虫歯のような痛みを感じることがあります。後述の歯ぎしりや食いしばりで歯が疲労したり、歯に傷ができると知覚過敏を生じやすくなります。治療は歯が欠けたり傷ついたところに対してはCRという詰め物をしたり、知覚過敏を抑える薬を塗布してコーティングする方法があります。

⑤根尖性歯周炎

前述の歯髄炎を我慢して放置しているとやがておさまって治ったと思うことがあります。
しかしこれは痛みを感じる歯の神経が壊死してしまい一時的に痛みが取れた状態です。歯の神経の中に細菌が繁殖して歯の根尖から体内に侵入してきますが、今度は体の防御システムが働いて細菌が侵入してくるのを抑えようと歯の根尖の周りが炎症を起こします。炎症反応が軽度でしたら、歯の浮いたような違和感や重い感じ、軽度の咬合痛、歯茎の腫れや歯の根元を触ると違和感があったりします。炎症がひどいと強い痛みを生じ、歯が触れなくなります。このころには硬い歯の根尖と硬い骨に囲まれたところに膿がどんどんたまっていき、内圧が高まりさらに激痛となります。根管を開放したり、歯茎を切開して膿を逃がしてあげると痛みを和らげることができます。
これも放置すると慢性化してやがて歯根嚢胞という膿の袋を歯の根尖の回りに作り治療が困難になってきます。
歯の神経を取って、根の治療をした歯も同じ現象が起きます。一度治療して冠を入れたところが痛くないがまた腫れてきた、違和感が出てきたということはよくあります。
初診で患者さんの全体のレントゲン写真(パノラマ撮影)を撮って診断すると痛いところや気になっているところではないのですが、根の治療をした歯の根尖部に黒く丸い病巣が写っていることがあります。
これは根の治療が完治せず細菌が根管内に残っています。細菌の活動能力と生体の防御力が均衡を保っている状態で今は無症状ですがいつ均衡が破られて症状が出現するかわからないので当院では必ず治療をお勧めします。特に冠を取り換える場合はできるだけ根の再治療を行ってから被せなおします。治療後に根の病気が再発したら困るからです。歯の外側は骨や生体に守られて細菌が侵入してもすぐに白血球などの免疫細胞に攻撃されて容易に生き残ることはできません。しかし生きた神経が失われた歯の中は免疫細胞の防御が働かず、歯の神経のあった空間に細菌が定着してしまいます。したがって歯の神経の治療は歯の神経があった空間を完全に固形のくすりで閉鎖しなければならないのです。
しかし歯の神経の走行は複雑で、曲がりくねったりいくつも枝分けしていることがあり、それらを完全に薬で閉鎖するのは困難で難しいため、根管治療の成功率は100%ではありません。そのため自費で治療する外国では歯を残さないで抜いて確実なインプラントによる治療を選択することが多いです。日本では保険が効くので治療のやり直しがききますが、このような理由でできるだけ歯の神経の治療に至らないほうが良いのです。

⑥歯性上顎洞炎

上あごの奥歯の上方に上顎洞という鼻につながる目と歯の間にある空間があり、奥歯の根の先に近接していることがあり、歯の根に細菌が入ると、歯の根を通して上顎洞という空間に細菌が入り込み炎症を起こします。慢性化したら鼻ずまりや蓄膿を起こしたりします。

⑦顎関節症

顎の関節の部分や顎の筋肉が炎症を起こして顎の周りの違和感や痛みを生じることがあります。また、顎の関節の円盤がずれて大きく開口すると音が鳴ったり顎が開きずらくなることがあります。

⑧外傷性咬合

歯のかみ合わせが原因で歯に負担がかかり違和感やしみるような症状を引き起こします。咬合調整や歯の矯正が必要です。

⑨歯ぎしり、食いしばり

主に寝ている間に引き起こす病気です。意識がないときに作用するので起きているときには比べて何倍もの力がかかっています。これが歯や、歯を支える組織にダメージを与え疲労となって違和感を生じることになります。朝起きた時に顎がだるい、歯が痛いような症状がある方はこちらが疑われます。治療法は対症療法として歯の防御のため夜間に歯にマウスピースをはめるスプリント療法があります。

⑩TCH(上下歯列接触癖)

こちらは⑨に加えて起きているときにも歯を常に接触してしまう病気です。歯を接触してしまうと歯根膜のセンサーが働き、交感神経、副交感神経が活動してやがて疲れを感じ、歯の接触をやめてしまうのですが、慣れてしまうと常時歯を接触して筋肉が慢性的な疲労を起こして血行障害を起こし、その部分がさまざまな違和感を起こすことがあります。
実際に違和感や軽度の痛みを訴えていらっしゃる患者さんを診察いたしますと、視診やレントゲン診で異常が認められない場合④知覚過敏症⑧外傷性咬合⑨歯ぎしり、食いしばり⑩TCHが原因の場合がよくあります。ストレスが多くなると発症しやすいようです。気を付けてくださいね。