2023年のシリウス山の手歯科について

皆様、お久しぶりです。
もうすっかり寒くなりましたね。感染症が流行っておりますので、お体にお気を付けください。

さて、今年ももう終わりですね。今年はシリウス山の手歯科にとって新たな飛躍の年となりました。新たなる取り組みが今年から始まりました。これらはいろんな著名な全国の先生方にご協力いただき、よく学ばせてもらったおかげです。

ちょうど一年前、神戸市の清水洋利先生を札幌にお招きして先生のオリジナルのホワイトニング法を教わりました。再生医療の専門家です。専用の照射器と薬剤を購入使用してクリニックで行うオフィスホワイトニングとご家庭で寝るときに行うホームホワイトニングを組み合わせたデュアルホワイトニングを取り入れまして、数十人の方に体験していただき好評を得ております。お手軽な会員価格で、食事制限がいらず、よく起きがちなしみるという問題や後戻り対策に対応しております。オーラルリバイバーという細胞を活性化させる特別な薬剤を提供して安全にホワイトニングを行えるよう配慮しております。こちらは札幌西区では当院専門のシステムになっております。本当によく歯が白くなり、ある方は元々入れていた自費のセラミック冠より歯が白くなり、セラミック冠の更新を検討しておりますし、ある方は黄色ぽかった歯がすっかり芸能人並みの白さまで変わりました。ぜひ一度体験してください。

ホワイトニングの写真

次にミラクルデンチャーです。

これは根室市の名古屋先生にご紹介いただいたもので、大阪市の中川瑛雄先生が考案されたもので従来の入れ歯の考え方、設計を根本から変えるものです。通常の入れ歯は、総入れ歯を別にして、入れ歯を維持するためにばねを作って入れ歯が外れたり動かないようにするために残ている歯にひっかけます。そのため入れ歯を安定させるためにばねが引っかかっている歯が犠牲になります。使い方によっては早期に歯がグラグラしだして最終的には抜歯になってしまうことになります。ミラクルデンチャーは逆にグラグラした歯を義歯が一体となって支えて守る働きをします。歯にひっかけるのではなくて歯の根元にしっかりとロックしてがっちりと固定します。一本の木を想像してみてください。それの幹を押したとしましょう。上の方の幹を押すと少なからず押されてたわむと思いませんか?それを地面すれすれの部分の幹を押したらどうなりますか?びくともしないと思いませんか?そのかわり一定の方向でしか入れ歯を取り外すことができません。そのため入れ歯を取り外す際に外す手順があり、慣れる必要があります。しかし一度装着すると入れ歯が小さく動かないのでとても快適です。ものが入れ歯の中に入り込んで痛みや不快感を味わうことがとても少なくなります。見た目も金属をあまり使わないので見た目もいいし、入れ歯だと気づかないことが大部分です。自費なのでまだ数症例ですがとてもおすすめです。通常の入れ歯はいやだけどインプラントまではちょっと…と思われている方には最適な選択となるでしょう。これも大阪の一か所の技工所しか取り扱うことができないものになっております。

ミラクルデンチャーの写真

次に、歯周内科です。これは九州の熊本市の生田図南先生が提唱された歯周病の治療法です。

これは、従来の機械的に汚染物質の除去を目的とし、歯周病菌を機械的にすみかごと除去し、歯周病菌が活動する範囲を減らしていこうとする治療法、いわゆる対症療法的な今までの歯周病治療に対し、歯周病菌そのものを直接たたいて除菌してしまう歯周内科の手法に対し、当初は半ば信じられませんでした。歯周病菌を抗生剤でたたいても、菌が一時的に減り、急性症状を改善するだけで、またすぐに復活してしまうと思ったからです。歯周内科については後日詳しくブログに載せようと予定しておりますが簡単に内容を説明すると、まず口腔内の歯面についたバイオフィルムからプラークを採取して位相差顕微鏡で観察します。たくさんの運動している桿菌やらせん状菌が観察されると歯周病菌がたくさんいることが予想されるので、確定検査としてさらにプラークを採取して検体として分析センターに送ります。その結果特定の歯周病菌が一定数以上検出されると歯周内科をすることをおすすめしております。

歯周内科は抗生剤の服用と抗カビ剤の組み合わせで治療していきます。これを始めて1か月ほどで歯周病菌がまったく検出されなくなります。こうなると口腔内の状況も変化がみられ歯茎が引き締まり、出血もなくなり、口腔内の不快なネバネバ感がなくなるようです。すでに十数人の患者さんが歯周内科の治療を受けていますがほぼすべての人の口腔内が改善し、歯周病菌が検出されなくなりました。これはすごいことです!

位相差顕微鏡の写真

次に当医院でもインプラント治療を始めました。

当面は根室市で開業されているインプラントのスペシャリストでいらっしゃる名古屋 肇先生にインプラント埋入手術を出張してもらい執刀してまらいました。当面はこのやり方を続ける予定です。安心してインプラント治療を受けてください。欠損補綴でインプラントが難しい方はミラクルデンチャーという選択肢もあります。

次にかぶせ物の話です。

当院では最初の取り組みとして、歯の治療でメタルフリー(金属をなくす)にしていくことを推進しています。まだまだ理解され浸透していくのは時間がかかると思います。皆さんは実感がないかもしれませんが、歯の根の治療をした後に入れる土台をだいぶ前から金属ではなく、グラスファイバー製の材料を使い、腐食や歯の破折を防止しております。

金属製の土台は腐食して歯を腐らせます。金属の土台の入った冠をはずすと、独特の腐ったような悪臭がすることがたびたびあります。金属が腐食して劣化して新たな虫歯を冠の内部で作っていきます。このダメージは大きいです。それが嫌で、当院ではコストを度外視しし(ファイバーコアは保険点数より技工料金が高くなっています)、かぶせ物の選択を保険だろうが自費だろうが構わずすべての患者さんにファイバーコアを選択して入れさせてもらっているので安心してください。メタルフリーのかぶせ物は自費だとすべての歯にセラミックだけでなく、品質が向上したオールジルコニアの冠も選択できるようになりました。きれいさがグレードアップしておりますので前歯にも安心して選択できるようになりました。保険でもCAD/CAM冠というかたいプラスチックのブロックを削りだして作成した冠が最後臼歯以外の歯に選択できるようになりました。(金属アレルギーの患者さんはすべての歯に入れることができます。)ただしプラスティックなので、年数がたつと変色等の劣化のためいずれまた冠を交換することになります。できるだけジルコニア冠を選択していただくと長い目で見るとお得なのと基本的に再治療不要なのと、汚れを寄せ付けないので長期にわたり歯を守ることになります。

ファイバーコア
ジルコニア

最後に前述した歯周内科の創始者でいらっしゃる生田図南先生主催による”AMAKUSA”という歯科界の最新のトレンドや技術や勉強して取り入れる方向性を学ばせていただく勉強会に今年の春から入会して毎月学んでおります。歯科関連に多岐にわたり情報をいただき、先月その実習編ということで、実技を学びに大阪へ飛びました。

何を学んだかというと、「義歯治療と根管治療の日本での最適解」というセミナーで歯科治療には欠かせない義歯治療と根管治療の大学や一般的なセミナーでは教わることのできない内容の実習をしてきました。根管治療は効率的で予後の良い根管治療という内容で専用の機器がないとできないこともありますが、考え方を取り入れて今後に生かしたいと思います。義歯治療は特別な機器を使わず、外れない義歯を製作、調整する方法を学びました。これは口腔機能の落ちてきた高齢者に応用できとても参考になりました。早速患者さんに試したところ義歯の安定性が向上しました。このように来年も新しい治療法、技術、情報を取り入れ皆様のお役に立てればと存じます。来年もよろしくお願いします。

お酒の入った席で申しわけないですが、大阪での実習セミナーの懇親会の写真も掲載いたします。私の隣が生田図南先生です。

模型の写真
懇親会の写真