マスク生活とお口の環境

 

こんにちは。札幌市西区山の手の歯医者「シリウス山の手歯科」院長の島貫です。
3月となり、今年も卒業シーズンがやってきました。

 

コロナ禍で今までとは違った学校生活に
戸惑いながら過ごした学生さんも
多かったのではないでしょうか。

 

困難な時期を乗りこえ、
新たな門出を迎えられることを祝福し、
未来が明るいものになるよう、
心から応援しております!

 

さて、コロナの問題が発生し、
外出時にはマスクの欠かせない生活が始まって
早くも1年が経過しました。

マスクをしないほうが非常識となりました。他の国よりマスクをすることに抵抗がなく、感染率の低さも国民性によるものが大きいのでしょう。

我々医療者側もマスク、ゴーグル、グローブを装着することを守って診療すれば、陽性患者を診療しても濃厚接触者にならないことになっており、歯科医院でのクラスターの発生もいまだにありません。

これは、普段からスタンダードコンプリートという、すべての患者を感染者とみなして消毒を徹底して行っているということの表れだと考えます。歯科医院は感染に対し高リスクなので、普段から消毒や感染対策を徹底しております。肝炎やHIVの患者が普通にいるものと考えて対策しています。コロナが流行りだしてから換気には注意していますが、マスクをすることは診療中ほぼ100%行っています。また、当院では切削器具に対してヨーロッパ基準の厳しい消毒レベルをクリアした高圧滅菌機を採用しているので、安心して治療を受けてください。

 

さて、普段からマスクをしていると

「自分の口臭が気になる」
「なんだか口の中がネバネバする」

と感じたことはありませんか?

 

それは、もしかしたらマスク生活による
「だ液の減少」が原因かもしれません。

 

今回は、「マスク生活とお口の環境」について
お話しします。

 

 

 

 

◆だ液の役割

 

だ液は通常、健康な成人で
一日に1.0~1.5リットル分泌され、
お口の中で

・水分平衡
・緩衝
・抗菌
・消化
・組織修復
・自浄、殺菌作用
・歯の再石灰化

などがあげられます。

 

たくさんの「だ液」でお口の中が潤っていることは、
食べ物の消化を助けるだけでなく、
むし歯や歯周病もとより感染症のリスクから
身を守ることになります。

 

例えば唾液に含まれるIgAでインフルエンザを予防します。

一見、マスクをしていると加湿され、
お口が潤うように思われるかもしれませんが、
だ液の分泌量はいろいろな要因によって減少します。

 

だ液減少の原因
・口呼吸
・ストレス
・脱水
・話さない(口まわりを動かさない)
など

 

 

マスクをしていると息苦しくなり、
たくさん空気を取り込めるよう口呼吸になりがち。

この口呼吸は、お口の中を乾燥させ
だ液の分泌を減らしてしまう原因となります。

 

さらに

・マスク着用や自粛生活を含む様々なストレス
・マスクの付け外しが面倒で水分摂取が減ること
・在宅時間の増加などで人と話す機会が減ること

これらすべてが、
だ液を減らす原因となっている可能性があります。

 

だ液の減少とともに
自浄・殺菌作用が低下してしまい、
口の中が不潔になり口臭が気になったり、
口の中の粘性が上がりお口の中がネバネバしたり…
といった不快感が出てくるだけでなく、お口の中の酸性度(PH)が低い状態が続き、細菌も繁殖しやすくなり
むし歯や歯周病にかかりやすくなってしまうのです。

 

 

◆大切なことは、
歯科での定期的な検診、クリーニングとセルフケア

 

お口の中を健やかに保つために大切なのが、
定期的な歯科検診とお口の中のクリーニング。

そして、ご自身による歯ブラシなどによる
丁寧な口腔ケアや、
こまめな水分補給など、
毎日のセルフケアです。

 

 

また、コロナ対策としてこまめな手指の消毒、換気なども重要ですが、口の中を清潔にして、菌の数を減らしていくこともとても重要です。

お口の中は目や鼻と同様に、菌やウイルスの侵入する格好の入り口です。口の中が不潔だったり、菌の数が多いと多数の菌やウイルスが引っかかり、定着して感染しやすくなります。

マスクすることだけでなくお口の中のケアについてもご注意してお過ごしください。

気になることがございましたら、お気軽にご相談ください