昨年はブログをさまざまな内容にて提供させていただきましたが、参考になったでしょうか。
本年もホットな話題、新しい取り組み、症例などを織り交ぜてご紹介していき、皆様とともにお口の健康から全身の健康へつなげていくお手伝いが出来たらと存じます。
設備についてのご報告
さて、まずは一番ホットなお知らせです。昨年末に設置が終わり導入済みですが長らく使用していたパノラマ撮影レントゲンと、デンタル撮影レントゲンを入れ替えました。
国内メーカーのRF社製なので安心なのとさらにデジタル化が進み、被ばく量もさらに減る見通しです。また、今回のレントゲン設備はCTとの複合機なので、これからはCT画像を撮影することが可能となりました。
いままでの画像診断に加え、3Dの断層撮影により、歯と骨の位置関係が明確になったのと、歯や骨をあらゆる方向からスライスして見ることができるので、インプラントであればインプラントを打つ予定の場所にどのくらいの深さで骨が残っていて、どのくらい骨の厚みがあるか診断でき、さらに適切なサイズのインプラント体も選択でき、どの方向へ打つべきかも参考にすることができます。特に深さでは上顎では上顎洞、下顎では下顎管を避けなければならないのでCTによる画像診断はインプラントの成功率を上げる役割があります。
また、歯周病においても骨の状況を今までの2次元よりも3次元的に把握することができるのでより詳しい診断をすることができます。
今回のCT導入でもっとも恩恵を受けるのが個々の歯の診断でしょう。
今まで歯の破折やひびが疑われても明らかに歯が割れて破折片として動かなければ2次元的なパノラマ画像や、デンタル画像では判定できなかったのですが、3DのCT画像では破折やひびがあれば発見可能となります。それで今まで経過観察にしていたことが早期に診断できるため治療方針が立てやすくなり、治療期間を短縮できます。
また、根の治療において複雑な根管も見逃すことなく検出できるので根管治療の予後にも大きな影響を与えるでしょう。
また、抜歯の際、歯の根尖の形態もよく観察できるので、難抜歯にかかる時間も短縮出来ます。
また、デンタルX線写真も今まではデンタルフィルムのスキャン方式をとっていたのをデジタルセンサー方式に替え、X線照射ですぐに画像が写る方式に変えました。すぐ結果がわかるので時間の短縮になり、X線量も従来より少なくすることができます。
また、デンタルX線照射器は取り外してポータブルとして持ち運ぶことが可能で、これからは在宅でもX線の診断をすることができるようになりました。
まだCTは慣れていないので、稼働するのに時間が必要ですが、かなり便利になりました。被ばくもより少なくなりましたので、どうぞ安心して受診してください。
矯正治療について
次に矯正の話です。
昨年は成人にはマウスピース矯正(インビザラインGO)、小児には床矯正と口腔機能訓練を行い症例を増やしてまいりました。
インビザラインGOは矯正のアライナーが20枚までという制限があったため超過しそうな人には予備矯正として床拡大を行ってからインビザラインGOを行う症例がありました。しかし今後はワイヤーのデジタル矯正インシグニアや26枚まで拡張して矯正できるインビザラインGOプラスというオプションも選択可能になり、矯正の幅が広がりました。
インビザラインGOプラスは従来に加え6番臼歯も動かすことができるようになりました。
大人の矯正はもう骨格が出来上がってしまい、かみ合わせも完成していてさらに奥歯がずれているとかなり大変になります。しかし、前歯がガタガタだったり前歯のアンテリアガイダンス(前歯同士の上下の接触)がなかったりすると虫歯をつくりやすかったり、奥歯に負担がかかって歯周病が進行する原因となったりしますので、一度は必ずお伝えするようにしております。
最初はみなさん大変ですが、慣れてくるとスムーズに矯正ができるようになります。かぶせ物を入れるにしても術前矯正して歯の位置を良くしてからのほうがいい状態で被せることができます。位置関係を正さないと理想的なかみ合わせが作れないのと、歯頚線が揃わないのでかぶせ物があまりきれいにみえなくなってしまします。
ちょっとしたことですが、大事です。当初は気にならなくともホワイトニングや歯周内科を行って口腔内の状況が著しく改善されると意識が変わるようです。位置異常の歯は位置を改善してあげると補綴処置が優しく有利になります。1本の歯の矯正より承りますので、お気軽にご相談ください。
子供の矯正は開始時期が以前に比較して早くなってきましたので、重症例が少なくなったように思われます。だいたい9歳前後になって犬歯が生えて来てから気になりだして来院することが多くて、床矯正を始めるには遅く、途中からワイヤーを用いた矯正になりがちで大変でした。
弟さんや妹さんがいたらもっと早くから矯正を始めましょうと念を押したものです。そうした地道な活動のおかげか今では多くのお母さんがたが早ければ小学校に上がる前に歯並びを見せに来てくれます。
この時点で反対咬合や開咬の歯列不正や口腔機能の異常が発見できれば治療を開始します。叢生など歯の隙間が足りない歯列不正は時間的な猶予はかなりありますので、お口の機能訓練を定期的に行いながら適切な時期が来たら矯正を始めることができますので、長期にわたって矯正を続けることは少なくなりました。
欠損補綴について
さて、つぎに欠損補綴です。
昨年もインプラント(7か所埋入)とミラクルデンチャーの実績がありました。
インプラントは昨年8月より埋入手術を行い、今年1月より下顎のインプラントの上部の冠の印象をとり、2月中に冠のセットが終わり、その後上顎5本のインプラントの上部の冠が入る予定です。上顎は骨の幅が狭く、骨造成術を併用したので時間がかかっています。
3月中にはすべて終える予定です。
ミラクルデンチャーは以前はかなりガチガチにセットしていたのですが、症例を重ね現在は患者さんの要望もありかなりゆるく調整してセットしています。それで困ることはないようです。緩くなり過ぎたら修理で対応しております。
いずれのケースも入れ歯が小さく、見た目や安定性が優れておりますので好評のうちにお使いいただいております。
在宅診療について
次に在宅診療です。
今までの在宅診療では入れ歯を製作するのみで行ってきたことが多かったのですが、昨年に新たなポータブルの訪問診療専用ユニットを導入済です。
以前は技工用のエンジンしか搭載しておらず入れ歯治療が中心でした。しかし今後は外来で診ていた患者さんが来院できなくなり、大切な定期検診を受けることができなくなってしまいます。そこで今回口腔内に使用できる5倍速のエンジンハンドピースと超音波スケーラーと口腔内バキュームが付いたポータブルユニットを用意しましたので、治療と予防処置(定期検診)を在宅で行うことが可能となりました。
予約システムについて
最後に予約システムです。
今までは、E―PARKの予約システムを使用しておりましたが、2月よりCiアポとういう新しい予約システムを導入いたします。
予約の空きを確認していただき、入力していただくだけで簡単に予約ができ、予約が確定いたします。従来は仮予約の対応でその後こちらから予約の変更または確定のご連絡を入れて予約が完了するシステムでした。
今回予約が簡単になったのと、LINEを利用して予約忘れ防止のお知らせを自動的に送ることができ、うっかりミスをなくすことができるようになります。
今年も当クリニックは進化を続けて行きますのでご支援よろしくお願いいたします。