歯科衛生士について

今回のコラムは歯科衛生士について解説していきます。

この先の歯科の仕事において歯科衛生士はますます欠かせない存在になってきております。社会の高齢化が進み、歯科におけるニーズも様変わりしてきました。治療中心から、予防中心の医療に変ってきていて、それを担うために歯科衛生士の役割が大きくなってきています。

しかし、現在の歯科界では歯科衛生士が慢性的に不足してきております。衛生士を目指す人が足りないのと、結婚や子育てがきっかけで歯科衛生士の仕事を離れてしまう人、歯科衛生士の資格をもっていながら他業界へ転職してしまう人がいるからです。このコラムをみて興味のある方は是非歯科衛生士を目指していただけると嬉しいです。

歯科衛生士はいったいどのようなことをするのでしょうか。

歯のクリーニングと予防措置

歯科衛生士は患者さんの歯を専用の器具を用いてクリーニングしてバイオフィルムや歯石など、歯の汚れや病原菌を取り除き、これにより虫歯や歯周病のリスクを減らしていきます。
また、フッ素など歯質強化の薬物を塗布して未熟な歯質の小児期や唾液が減る老齢期の虫歯の発生を予防していきます。

口腔健康指導

歯科衛生士は適切な歯磨きやフロスの使い方、健康な食事習慣の提案などを通じて、患者が自身の口腔健康を維持するための知識を提供します。

歯周病管理

歯周病は歯科の2大疾患の1つで、歯科衛生士は歯周ポケットの測定をして歯肉の状態と骨吸収の状態を把握して、清掃実地指導や縁下歯石の除去などを行い、原因の除去をして、歯周病の進行を抑制する役割を果たします。

歯科診療のサポート

歯科衛生士は歯科医師に次ぎ口腔内をさわる資格を持っています。歯科医師の指示のもと患者の治療に協力します。そのほか滅菌や消毒業務、歯科助手の仕事も兼任することもあります。

歯科衛生士は定期健診を通じて早期の異常を検出し、歯科医師に報告して適切な治療を受けさせる役割があります。歯科医師が治療を中心に役割を担う一方、歯科衛生士は清掃の実施や指導を行うことにより口腔の健康を保っていくために欠かせない役割を担っています。さらに口腔の健康は全身の健康にもつながっています。

学習と資格

歯科衛生士になるためにはどうしたら良いのでしょう。歯科衛生士学校に入学して3年間研修し、卒業後国家試験を受けて合格することが必要です。
札幌では札幌歯科医師会に歯科衛生士学校が付属しています。

初期の実務経験

歯科衛生士学校を卒業して、ライセンスを取得したら、歯科医院での実務経験を積むことが重要です。歯科衛生士の実際の仕事を歯科医療を通じて学んでいきます。

スペシャリストへの進化

一部の歯科衛生士は、特定の分野でスペシャリストになることを選択します。例えば、小児歯科、老年歯科、歯科衛生指導などの分野があります。これらの分野で追加の教育とトレーニングを受け、認定を受け、認定歯科衛生士になることができます。

教育や管理職

一部の歯科衛生士は、教育機関で教えたり、歯科クリニックの管理職に就いたりするキャリアパスを選択します。これにはより高度な教育やリーダーシップスキルが必要です。

研究と開発

歯科衛生士の中には、新しい治療法や予防策の研究に携わる者もいます。研究や新技術の開発に興味がある場合、学術研究機関や産業研究センターに在籍し、キャリアを積むことが可能です。

継続的な教育

歯科衛生士は、定期的な継続教育を受け、最新の治療法や技術について常に最新の情報を持っている必要があります。職業の進化に追従し、患者に最高のケアを提供するために努力が必要とされます。

歯科衛生士のキャリアパスは多様で、個々の興味や目標に応じて調整できます。重要なのは、継続的な学習とスキルの向上を続け、患者の健康と幸福に貢献することです。また、業界の規制や要件にも注意を払い、必要な資格やライセンスを保持することも大切です。

歯科衛生士の求人市場:今後のトレンドと展望

需要の増加

歯科衛生士の需要は、人口の増加と高齢化に伴い増加すると予測されています。高齢者の数が増えることで、歯科ケアの需要が増し、それに応じて歯科衛生士の役割が重要になります。また、歯の健康意識も高まっており、予防歯科ケアの需要も増えています。

遠隔医療について

遠隔医療の普及により、歯科衛生士が遠隔で患者とコミュニケーションし、アドバイスを提供する機会が増えています。特に地理的にアクセスが難しい地域や高齢者向けのケアで活用されています。

新たな役割とスキルの必要性

歯科衛生士は、歯科医院でのクリーニングや歯周病の管理だけでなく、患者教育や予防プログラムの設計など、より幅広い役割を果たす必要があります。従来の歯科衛生士のスキルに加えて、情報技術やテレヘルスの知識も求められることが増えています。

女性の参入

歯科衛生士の職業は女性に人気があり、今後も女性がこの職業に進出する傾向が続くと思われています。女性が家庭と仕事を両立させるための柔軟な勤務条件やキャリア支援が提供されることが重要とされます。

インプラント技術の発展

インプラント技術の進歩により、歯科衛生士の役割が拡大しています。インプラント手術の補助やインプラントケアの提供など、新たなスキルが求められています。

職場環境の改善

歯科衛生士の働く環境や待遇の向上が、求人市場に影響を与える要因の一つです。良い労働条件や福利厚生を提供する歯科医院が、優秀な歯科衛生士を引きつけるでしょう。

歯科衛生士としての成功を支える資格とスキル

歯科衛生士として成功を収めるためには、特定の資格とスキルが必要です。以下に、その主要な要素をいくつか紹介します。

歯科医院での臨床経験

歯科衛生士は、歯科医院での実地経験を積むことが非常に重要です。患者とのコミュニケーション能力を高め、患者の口腔健康を評価し、適切なケアプランを立てる能力を養うことができます。実務経験を通じて、臨床的なスキルを磨きましょう。

コミュニケーションスキル

歯科衛生士は患者と密接に協力しなければなりません。コミュニケーションスキルを高め、患者との信頼関係を築くことが重要です。患者に口腔ケアの重要性を説明し、予防策や治療計画を理解させる能力が求められます。

教育とカウンセリング

患者に口腔健康に関する教育を提供し、予防策を推奨することも歯科衛生士の役割です。患者にブラッシングやフロスの適切な方法を指導し、健康的な生活習慣をサポートするためのカウンセリングスキルが必要です。

テクノロジーとデジタルスキル

現代の歯科医療はデジタル技術を多く活用しています。歯科衛生士は、デジタルレントゲンや電子カルテの取り扱いなど、テクノロジー関連のスキルを持つことが重要です。

継続的な教育と専門知識

歯科衛生士は常に最新の歯科トレンドや治療法について学び続ける必要があります。継続的な教育や専門知識の更新を通じて、専門性を高め、患者に最高水準のケアを提供できるように努力しましょう。

成功する歯科衛生士には、専門知識だけでなく、コミュニケーション、教育、技術的なスキルが必要です。また、チームでの協力や患者中心のアプローチも重要です。