当院の治療方針について

皆さまお元気ですか?これから夏本番ですね。体調管理にご注意ください。
新患の方には当院の方針についてご説明させていただいておりますが、今一度この場でご説明しご理解いただけたらと存じます。

当院の大きな方針といたしまして、その場限りのお付き合いでなく、様々な年齢でおこる問題を回避していき一生健康で快適な食生活を送れることを目標として取り組んでおります。
従いまして当院に初めて来院されてからその方に合った最良の治療を含む治療の選択を一緒に考え治療が終わってからも良い状態を維持して虫歯や歯周病など新たな問題の発生を防いでいくように定期検診で管理していきます。

主訴を治すことに全力を尽くします。同時に主訴以外の部分も問題ないか確認するため、口腔内全体の診察と必要な検査を行って評価してその結果をお伝えしております。何を調べるかと申しますとまず本人が気が付いていない虫歯の存在や、成人の約8割の人が罹患する歯周病の状況を必ず調べております。こちらは発見が早く早期に治療をすると無麻酔で楽に治療できます。発見が遅れたり治療せず放置すると虫歯は歯の神経を取る治療、歯周病は抜歯や歯茎の奥深くへの麻酔と掻爬、歯の固定など大事になってしまいます。被せ物も大がかりとなって費用もかさんでしまいます。

歯周病の進行や虫歯の発見、見えない被せ物の内部や歯の根の中の状態、埋伏歯や腫瘍の存在など骨の中の見えない部分をみて問題がないか確認するためにパノラマ写真という顎全体を撮影するレントゲン写真を撮ります。デジタル化され以前より被ばく量が格段に少なくなっていますのでご安心ください。それから口の中の見た目の状態をわかりやすく説明するために口腔内のカラー写真を撮ります。それと保険で歯のクリーニングや歯周病の治療をするために歯面に沿った歯茎の深さを測る検査をします。歯周病にかかっているとこの部分が出血したり、深さが4mm以上の深さになります。正常値は3mm以内の深さです。ひどくなると膿が出てきます。

このような検査を経て問題が発見されるとすぐに治療すべきか、注意だけにとどめ問題が生じたときに対応するか、被せ物をやり直したり、新たに被せ物や欠損補綴を始める時に治療を開始するべきかなど詳しくこちらの診断と治療方法、治療時期のアドバイスを丁寧にお伝えするようにしております。

皆様が一番わからないのが歯の根の状況だと思います。歯の根元の部分が腫れたり押すと痛かったりすると気が付くのですが、大抵は歯の根の中で細菌が静かに繁殖して体の抵抗力が落ちて菌が暴れるまで気が付かないことが多いですが、レントゲンで確認すると根の先が黒く病巣を作っていたり、歯の根に詰めた薬が十分詰まっておらず細菌が繁殖する温床となっていることがわかります。但し治療には上物の冠や土台を外さなければ治療できないので緊急性も考え治療すべきかどうか判断してお伝えしております。

また、痛みや気になる症状がない場合でも被せ物やブリッジの適合が悪くなって虫歯や歯周病の原因になっていないか、入れ歯が不適合になって害を与えていないか、かみ合わせが悪くなって歯が動揺していないかも調べます。これも具体的な症状が出る前に対処することが非常に重要です。対応が遅れると抜歯になってしまうことが多いからです。

かみ合わせや歯ぎしりについても詳しくお伝えしております。

まず、かみ合わせですが見た目の問題と機能の問題があります。見た目は主に前歯のガタガタや歯の突出、歯の隙間、反対咬合をみます。大人の方には当院ではアライナーというマウスピースを使用した前歯部専用の部分矯正インビザラインGOを採用してお求めやすくなっております。インビザラインGOでできそうな方に矯正をお勧めしています。機能の問題では反対咬合や前歯がかみ合わずに空いている開咬というかみ合わせでは前歯が顎を動かす際にガイドして奥歯が開くという機能が働かず、奥歯にとても大きな負担がかかって奥歯を早期に悪くしてしまいます。あとは清掃しにくいという問題もあり、虫歯と歯周病で歯の寿命が短くなってしまいますので、この話もしております。

機能の問題ではさらにブラキシズム(歯ぎしり)やTCH(歯の接触癖)の疑いがあればその悪影響についてお話して対策を考えます。歯がすり減っていたり、歯の周りの骨が出っ張っていたり、頬粘膜や舌に歯型がついていたり、歯の根元が欠けたり、たびたび詰め物やかぶせ物が取れたり、虫歯でないのに歯がしみる症状があれば要注意です。

さらにかみ合わせの高さや左右のバランスを見て合っていなければ修正をお勧めしています。ただし大掛かりになる場合はまずは主訴を直して定期検診に移行していただき、定期検診で病態の悪化を防ぎながら治療のタイミングを測っていきます。決して無理にならないよう心がけております。このように伝えるべきことは伝えて、どうしたらよいか一緒に考えていきますので安心してください。もちろん保険診療を選ばれてもその中で良い治療法を考えていきます。ただ保険ではできないこともあるのでご了承ください。

それでは次に治療ですが主訴の処置が落ち着いたら全体の検査結果から治療計画を立てていきます。歯周病が進んでいて危険であればこちらの治療が優先となります。
虫歯も早急に治療しないと症状が出現しそうであれば優先して治療を進めます。

かみ合わせが崩壊して咬むところがなかったり、歯が欠損して放置されているような場合は治療用の入れ歯や仮歯を作ってかみ合わせを確保して食べられるようにしていきます。
前歯など見た目が気になるところは応急的に治したり、仮歯を作ったりして早急に改善していきます。

ここまではすべて保険でまかなえるところです。
では、自費の治療はどんな特徴があるのでしょうか。

保険治療はだれでも安心して治療が受けられますが、保険の財源があるので使えない材料や治療方法が存在します。治療法で言えば一部のレーザー治療や審美治療、歯のホワイトニングが該当しますが治療が楽だったり審美性が高く大きな満足が得られます。歯周病治療では歯周内科が該当し保険の歯周病治療とは方法が異なり短期間で大きな苦労することなく歯周病菌が除菌され保険では得られない大きな治療効果が得られます。ブラキシズムの治療ではスプリント療法に変わって筋肉の力を抑制して作用するボトックス療法があります。いずれも患者さんは楽をして治療ができ、効果は抜群です。
保険は必要最低限なことが多く治療方法が決まっていて逸脱することができません。病気が再発しやすいこともあります。入れ歯やかぶせ物も設計や使える材料も限られております。保険の銀歯が長らく使用されておりましたが、銀歯はさびて変質しやすく、汚れもつきやすく虫歯を作りやすかったり耐久性の問題があります。最近は金属代も高騰しているのでかぶせ物は金属を使わないCAD/CAM冠が普及してきました。ただし耐久性に難があり、適用できる場所がまだ限られていて割れやすく、材料にプラスティックを使用しているので吸水して劣化してしまいます。耐久性や審美性、汚れの付着のしにくさや恒久性では自費の材料のセラミックやジルコニアには全くかないません。住宅でいうと自費の材料を使ったかぶせ物は高気密住宅と一緒で結露を寄せ付けず、建物を痛めず長持ちします。

入れ歯は設計が保険と全く異なる自費の入れ歯ミラクルデンチャーを採用しています。通常の入れ歯と異なり残った歯を守る機能を持ち、小さくて審美性にすぐれ浮き上がらないので快適に食べることができます。

このように自費はいろんなメリットをもたらします。当院ではいろんな選択肢をご用意して対応いたします。保険でもできる限りの治療に取り組みますのでお気軽に受診しております。自費のメリットをご理解いただき自費の治療を受けたい方も当院ではデンタルローンをお使いいただけるようになりましたので是非ご検討ください。