皆様、今期の冬は雪が多く大変な思いをされている方が多くいらっしゃると存じます。
当医院に通院の方は、足元にどうぞお気をつけて、大変な時は予約をしなおして安全にいらっしゃってください。
前回、「歯がなくなったらどうなるの?」というお話をしました。
では、今度は「歯がなくなったらどうしたら良いの?」ということをお話しします。
歯が無くなったら
①何もしない
②補綴する
③インプラント体を入れる
④歯の移植、矯正する
⑤歯を再生する
という方法が考えられます
①何もしない。
という選択肢は一番最後の方の歯が抜けた場合です。
一番後ろの歯が親知らずの場合は抜けてもそのままで良いです。
対合の親知らずも、他の歯が健康であれば、悪さをしてくる可能性があるので、抜くことをお勧めします。
一番後ろの歯が7番目の歯、第二大臼歯の場合は何もしないことがあります。
奥歯で一番大事なところは、咬合の最下点、重心とも言える、5番目(第二小臼歯)、6番目(第一大臼歯)です。
ここが無事であれば隣の歯を削ってブリッジのかぶせ物、または一本義歯を入れなくても良いと考えます。7番目の歯がないことでかみ合わせが不安定になることは起きにくいと思います。ただし、対合の歯があって、その歯がフリーになってしまうと伸びてきてしまうのでその歯が動かないようにする対策が必要です。
6番目の歯が無くなっても困らない方もいらっしゃいます。小さい入れ歯を入れてもかえって邪魔になるとしてなにも入れない方も珍しくありませんが、噛み合わせの安定ということを考慮するとなにか入れたほうが良いと思います。
何もしないのはここまでが限界で、5番目の歯も失い最後の歯が4番目(第一小臼歯)となるとかなり不便になり、かみ合わせにかなり影響が出てきます。
②補綴する
補綴とは失われた部分を人工物で補うことです。方法は大きく分けて取り外しができないブリッジと、取り外しができる入れ歯(部分床義歯)に分けられます
ブリッジは隣の歯など複数の歯を支えにして、歯のないところを含めて連結して作る大きなかぶせ物です。
入れ歯のような取り外しの煩わしさや、違和感が少ないので、ブリッジを設計可能な場合はこれを選択される場合が多いです。
自費を選択すると、見た目も自然な歯と変わらない、審美的に優れているものを入れることができます。したがって、ブリッジを入れることができなくなるまで歯を失わないようにしなければなりません。
欠点としては、健康な歯でも支えとなる歯にするためには削らなくてはなりません。前歯や、大きなブリッジではどうしてもたくさん削らなければならず、その結果歯の神経を取る治療をしなければならないことがほとんどです。当院では1本や2本位の歯の欠損では歯をなるべく削らない設計の提案をしておりますのでご安心ください。
もう一つの欠点としては欠損した歯にかかる負担を他の歯が引き受けるので、無理をしたり、お手入れが不十分であるとさまざまなトラブルを引き起こします。どこかの歯がこわれるとつながっている部分をすべて外して作り直さなければなりません。長く持たそうとすると定期検診など、定期的な管理がかかせないです。
もう一つの補綴の方法は取り外しをして使う入れ歯(義歯)です。入れ歯の最大の特徴は取り外しが可能であること、作り直しが簡単で、修理も容易であること。残りの歯をあまり削ることなく作ることができること。欠損部の粘膜に負担をかけるので大きな歯の欠損にも使えること。お年寄りにはやさしい治療法であることがあげられます。
欠点は慣れないと違和感が強く、粘膜に負担をかけて傷を作って痛くなること。細かいものが入れ歯の内面に入ってしまいやすいこと、保険だと入れ歯をひっかけるバネが金属なので見えてしまい、見た目に問題があること、入れ歯に接している部分が汚れやすいこと、本物の歯のように噛めないこと。
粘膜も義歯で覆ってしまうので食感を犠牲にしてしまうこと。最大の問題は、取り外すときにバネがかかっている歯に負担をかけるのでいずれ歯を失う原因になることです。このリスクは減らすことはできますが、メリットとデメリットを考えて選択していきます。
③インプラント体を入れる
インプラントは補綴の欠点を解決することが可能ですが、注意すべきことも多く、お金や外科のリスク、お手入れの問題があり当院で採用しておりませんでした。今後は専門医との連携、出張で取り入れていく予定です。
④歯の移植、矯正をする
は普段はあまり見かけることはありませんが、治療法としては可能なのであげておきます。
当院で7番を抜いたのちに8番を移動させて7番の位置に持ってきたことがあります
⑤歯を再生する
これは未来の治療法です。いずれ最新の治療法として普及するのではと思います