年代別お口の注意点①

札幌市西区山の手の歯医者「シリウス山の手歯科」院長の島貫です

 

皆様、当院はすべての年齢の人を対象に診療を行い、悪い経過をとらないようそれぞれの人に合った指導や助言をしております。

今回は乳幼児からお年寄りまで、それぞれの年代に応じた注意すべき点にざっくりとお話しましょう。

 

まず、乳児では食事を与えるときスプーンをこちらから口の中に入れないようにしてください。お子さん自らがスプーンの食べ物を口にするようにしましょう。実はこれは口の正しい機能の獲得に非常に重要なことで、正常な口の機能の発達に影響を与えます。

適切な時期までに、口唇の動かし方、噛み砕き方、呑み込み方を正しく身につけなければなりません。ここ最近よく聞く小児口腔機能発達不全症とはこれがうまく獲得できない状態です。

また、虫歯は感染症で、もともと口の中に虫歯菌は存在せず、他人から感染してしまうものです。早期にうつると抵抗力が弱くなり、虫歯になりやすくなってしまいます。大人が使った箸などを、そのまま子供に使わないなど感染させないような配慮が大切です。

1歳6か月健診、3歳児健診を受けてなにか問題があれば相談または歯科医院を受診して早期に解決しておきましょう。フッ素を定期的に塗っておくことも重要です。これは永久歯が生えて2年くらい経過するまで虫歯になりやすいので中学を卒業するまでは続けたほうが良いです。

 

3歳になると乳歯列が完成し、しっかり噛めるようになります。今後6歳まで歯並びが安定している時期が続きます。しっかり時間をかけて噛んで歯が並ぶ骨を育成し、正しい舌の使い方、口を閉じるという癖をつけることで永久歯はきれいに生えそろうことができます。歯並びが悪いとさまざまな歯の病気を引き起こす引き金となります。歯並びの完成は第二大臼歯が生えそろう15歳ころとなります。歯並びの乱れはこのころまでに矯正を始めると歯を抜いたり削ったりすることなく治せる可能性が高くなります。矯正は歯並びの異常に気が付いたらすぐに始めると簡単で治療期間も短くなります。かぜ症状が放置しておくとこじらせて肺炎になってしまうようなものです。ただしまだ肺炎になるまで様子をみましょうという歯医者がまだまだ多いのが現状です。(当院にお気軽にご相談ください)

 

永久歯が生えそろい青年期になると虫歯、歯並びの問題の他重要なのは、口の中に定着する菌の種類を増やさないということです。口の中にはさまざまな菌が住みついていますがその種類は年齢によっても違いますし、個人差も大きいです。たとえばある人は歯磨きがあまりできておらず口の中が不潔なのですが、歯茎が赤くともはれたりすることなくきれいに磨けることで歯茎はすぐ正常な状態になります。ところが口の中の汚れが少ないのに歯茎が赤くはれて歯周炎の症状を起こす人もいます。これは細菌の数ではなく、種類の数の問題です。悪くなる人は細菌の種類が多く病原性の高い細菌が住みついている可能性が高いです。病原性の高い細菌は、細菌のピラミッドの頂点にいます。どういうことかというと、ピラミッドのもととなる細菌が存在して、それが積み重なり、ピラミッドを形成して行かなければ、一番上の悪質な病原菌となる細菌が口の中に定着できないとういことです。これは青年期より細菌の種類が増えるので、この時期にしっかり清掃することで細菌の定着を防ぐことができるのでとても重要です。一度定着するとゼロにすることができないので一生の問題になります。細菌の量は減らすことができるのですが、種類は減らすことができないので、個人差が出てきます。とても大切なことなので覚えておいてください。長くなってしまったので、成人以降の話は後半として次回お話しします。