小児矯正はいつから始めるのが正解?最適な時期やメリット、費用と後悔しない歯科医院選びを徹底解説
お子様の歯並びについて、「いつから矯正を始めるべき?」と悩まれている保護者の方は少なくありません。乳歯から永久歯への生え変わりの時期に、矯正の必要性を感じつつも、その最適なタイミングや治療方法について不安を抱えている方も多いでしょう。歯並びが悪いと、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音、そして将来の口腔健康にまで影響を及ぼす可能性があるため、親として正しい判断をしたいというお気持ちは当然です。
実は、小児矯正において最も重要なのは「成長期を活用すること」です。歯並びが気になった時点で早めに相談し、犬歯が生えてくる9歳頃までに顎を広げておくことで、顎の成長そのものを正しい方向へ導き、将来の抜歯の可能性を大きく減らして、より根本的で安定した歯並びを目指すことができます。成長が終わってしまった後では、このような骨格的なアプローチは難しくになってしまうのです。
本記事では、小児矯正を始める最適な時期と当院の考え方、具体的な症状別のサイン、装置の種類と特徴、気になる費用と期間、そして後悔しない歯科医院選びまで、お子様の歯並びの健康について判断するために必要な情報を詳しく解説します。早期相談がなぜ重要なのか、そして成長期にしかできない治療の価値を理解することで、お子様の一生の歯の健康を守るための最初の一歩を踏み出していただけるはずです。

この記事でわかること
結論から言うと、小児矯正は「歯並びが気になった時点」が相談のタイミングです。特に、犬歯が生えてくる9歳頃までに顎を広げ、前歯部の問題のうちに歯並びを整えておくことが重要で、上顎の成長がほぼ終わる10歳前後を過ぎると骨格的な改善は難しくなります。目安としては、前歯が生え替わり始める6歳前後に一度相談しておくと安心です。
- 小児矯正を始めるベストなタイミングと、当院(日本小児矯正研究会所属)の治療の考え方
- 成長期にしかできない「顎のコントロール」と、早期相談のメリット
- 受け口・叢生・出っ歯や開咬・悪習癖など、相談を検討すべき4つのサイン
- 代表的な4つの装置(床矯正・プレオルソ・インビザライン・ファースト・固定式装置)の特徴と、費用・期間の目安
- 後悔しない歯科医院選びと、治療を成功させるための3つのポイント
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目次
1. 小児矯正はいつから始める?ベストなタイミングと当院の考え方
小児矯正を始める時期についてのご質問は、多くの保護者から寄せられます。「いつから始めるべき?」という疑問に対して、一般的によく挙げられる目安は「6歳前後」です。しかし、この時期がなぜ重要なのか、そして当院がどのような考え方で治療を進めているのかを理解することは、お子様の将来に大きく影響します。
小児矯正は、成長期を活用した治療です。乳歯から永久歯に生え変わる「混合歯列期(およそ6歳から12歳頃)」が矯正治療に適しているとされる理由は、この時期にしか使えない「顎の成長の力」を利用できるからです。大人の矯正は、すでに完成した顎骨の中で歯を動かすという限定的な治療です。一方、小児矯正は顎骨そのものの成長を正しい方向へ導く、より根本的なアプローチが可能になります。
歯並びが気になった時点が治療のスタート
当院では、歯並びが気になった時点から矯正が始まると考えています。歯だけでなく、口腔と顔全体の正しい成長を目指すため、まずは舌の使い方や口呼吸、噛み方といった口腔機能の育成から始めます。そのうえで、マウストレーナーをはじめとする矯正装置が必要になった時点で、一般的な矯正治療を開始します。
犬歯が生えてくる9歳頃までの拡大が重要
特に重要なのが、犬歯(糸切り歯)が生えてくる前の9歳頃までに、拡大装置で顎を広げておくことです。犬歯は前歯のすぐ横に生える歯で、並ぶスペースが足りないと歯並びの乱れが一気に目立つようになります。前歯部の問題のうちに歯並びを整えておくことで、その後に生えてくる永久歯が自然と正しい位置に収まりやすくなります。
当院では、床矯正などの取り外し可能な装置を用いて顎を広げたり、悪習慣(指しゃぶりや口呼吸など)の改善を図ったりします。床矯正は、歯そのものに強い力をかけるというよりも、装置の床部分が顎の骨に加わる力を利用して顎を広げる仕組みです。1日12~20時間の装着で、多くのケースで約1年程度の治療期間を想定しており、定期的なネジの調整を通じて、成長に合わせた段階的なアプローチを行っています。
「一期治療・二期治療」と分けて考えない理由
小児矯正では、成長期の「第1期治療」と、永久歯が生え揃った後の「第2期治療」という2つの段階に分けて説明されることが一般的です。しかし、当院が所属する日本小児矯正研究会では、この区分を採用していません。段階を分けて考えると「第1期でしっかり治さず、第2期で仕上げればよい」という前提を生みやすく、かえって弊害や誤解を招くためです。
成長期のうちに顎の土台をしっかり整えておけば、その後に本格的な矯正が必要になった場合でも微調整で済む可能性が高まり、何より「健康な歯を抜かずに治す」ことが実現しやすくなります。これは、お子様が一生涯を通じて自分の歯を守ることに直結します。
時期を逃した場合の治療選択肢の制限
時期を逃すと、骨格的なズレに対する治療選択肢は、歯の位置で骨格の問題をカムフラージュする方法か、成人後の外科矯正という限定的な二択に絞られてしまいます。成長期だからこそ可能な、根本的な解決が望めなくなるのです。
相談のタイミングの目安
相談のタイミングは、お子様の成長段階によって異なります。一般的には、上下の前歯(永久歯)が生え替わり始める6歳前後が一つの目安ですが、受け口など特定の骨格的な問題がある場合は、さらに早期の相談が推奨されます。重要なのは、正確な診断と、お子様の成長に合わせた適切な治療計画を立てることです。
矯正治療と包括的なサポート
当院では、矯正治療だけでなく、一般歯科による虫歯予防やメインテナンスも並行して行っています。装置装着中は特に、虫歯のリスクが高まるため、この包括的なサポートが治療の成功を大きく左右します。まずはお気軽にご相談ください。電話でのご予約も承っております。
2. 早期相談が重要な理由|成長期にしかできない「顎のコントロール」
大人の矯正治療と小児矯正の最大の違いは、「骨格そのものへアプローチできるか否か」にあります。成長期が終わってしまうと、この選択肢は失われてしまうのです。
成人の矯正は、すでに完成した顎骨の中で歯を移動させるという限定的な治療です。歯槽骨のリモデリング(骨の改造)を利用して歯を動かすことはできますが、顎骨そのものの位置や大きさ、上下の関係は変わりません。一方、小児矯正は「骨の成長の力」を借りて、顎骨の成長を正しい方向へ導くことができるのです。
成長後の治療選択肢が限定される
この違いがなぜ重要か。それは、将来の治療選択肢に直結するからです。
成長が終わってしまった後に骨格的なズレが残っていた場合、解決策は原則として2つに限定されます。一つ目は、歯の位置を動かして骨格的な問題をカムフラージュする方法です。例えば、受け口の傾向がある場合、下顎の大きさそのものは変わらないため、上の歯を前に出したり、下の歯を後ろに引いたりして「見た目」を改善するという妥協的な対応になります。そしてもう一つが、外科矯正です。顎の骨を切る外科的な矯正治療は、原則として成長がほぼ終了した後に行われるもので、身体的・経済的な負担も大きくなります。だからこそ、成長期のうちに対応しておくことに大きな意味があるのです。
上下顎の成長時期の大きな違い
上顎と下顎の成長時期は大きく異なります。上顎の成長はおよそ10歳前後でほぼ完了しますが、下顎は思春期以降も成長を続けます。この成長の違いを理解することなく、単に「永久歯が揃うまで待てばいい」と考えていると、気づいた時には上顎の成長は既に終わってしまっているという事態が生じかねません。
受け口の傾向がある場合は特に注意が必要です。遺伝的要素がある場合、早期から上顎の成長を促し、下顎の過度な前方成長を抑制することが、将来の骨格的ズレを防ぐ大切な機会になります。この時期を逃すと、思春期以降に顎のズレが顕著になり、外科手術を検討する段階へと進んでしまうのです。
早期治療による具体的なメリット
では、成長期を活用することで、具体的に何が変わるのか。最大のメリットは「抜歯を避けられる可能性が高まる」という点です。成長期のうちに顎を適切に広げ、永久歯が並ぶための十分なスペースを確保できれば、健康な歯を抜く必要性は大幅に低下します。反対に、成長が終わってから矯正を始めると、歯を並べるスペースを作るために抜歯が必要になるケースが多くなります。
さらに見落とされやすいのが、「悪習癖の改善」による後戻り防止です。口呼吸や舌癖、指しゃぶりなどの癖が原因で歯並びが乱れている場合、装置だけで歯を移動させても、根本原因が解決されなければ、治療終了後に元の位置に戻ってしまう後戻りが起きやすくなります。成長期だからこそ、こうした癖の改善と歯並びの改善を並行して行え、より安定した結果を期待できるのです。
総合的なケアへの取り組み
当院では、矯正治療を行う際に、一般歯科による定期的なメインテナンスと並行した対応を心がけています。装置装着中は虫歯や歯周病のリスクが高まるため、歯科医師と歯科衛生士による専門的なケアが、治療の成功を大きく左右します。早期に相談いただくことで、お子様の成長に最適な治療計画を立てることができます。
3. 【症状別】小児矯正を検討すべき4つのタイミングとサイン
小児矯正を検討するかどうかの判断は、お子様の年齢だけでなく、具体的な歯並びや口腔機能の状態によって異なります。以下に、早期相談が推奨される4つの代表的なケースを紹介します。これらのサインが見られたら、まずは歯科医院に相談してみることをおすすめします。
受け口(反対咬合)の傾向がある場合
受け口は、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。遺伝的な要素が強く、放置すると思春期以降に顎のズレがより顕著になってしまいます。特に注意が必要なのは、上顎の成長がおよそ10歳前後でほぼ完了するという事実です。この時期までに、上顎の成長を促し、下顎の過度な前方成長を抑制する治療を行わなければ、後々外科矯正という選択肢しか残されなくなる可能性があります。
受け口の場合は、他の不正咬合よりも早期の相談が特に重要です。3歳~5歳の段階で兆候が見られたら、迷わず小児歯科に相談することをおすすめします。
ガタガタした歯並び(叢生)の予備軍
お子様の永久歯が生え始めた時点で、「歯が並ぶスペースが明らかに足りない」と感じられたら、それは将来的に叢生になる可能性が高いサインです。乳歯は永久歯よりも小さいため、乳歯の時期に歯並びがきれいに見えていても、永久歯が生えてくる際にガタガタになってしまうというケースは非常に多いのです。
この場合、永久歯がすべて生えそろうまで待つのではなく、前歯が生え替わり始めた段階から、床矯正などの拡大装置を用いてスペースを確保する治療を始めるのが効果的です。特に、犬歯が生えてくる9歳頃までに十分なスペースを確保できるかどうかが、将来的な抜歯の有無を大きく左右します。
出っ歯(上顎前突)や開咬など、顎のバランスが乱れている場合
上の前歯が大きく前に突き出ている出っ歯や、奥歯が噛んでいても前歯に隙間がある開咬は、単なる見た目の問題ではなく、顎の骨格的なズレを示唆しています。
出っ歯の場合、上顎が過度に前に発育している、あるいは下顎の発育が不足している可能性があります。開咬の場合は、舌癖や口呼吸などの悪習癖が原因になっていることが多いのです。これらは成長期だからこそ改善しやすい問題です。放置すると、発音が不明瞭になったり、食べ物を咀嚼しにくくなったりと、機能的な悪影響まで及んでしまいます。
口呼吸や舌癖、指しゃぶりなどの悪習癖がある場合
これは見落とされやすいポイントですが、実は非常に重要です。口呼吸は無自覚のうちに習慣化しているケースがほとんどです。常に口が開いているお子様は要注意です。口呼吸を続けていると、上下の前歯に隙間ができやすくなります。
舌癖も同様です。飲み込む際に舌が前に出てしまう癖があると、上下の前歯が開いてしまい(開咬)、歯列が乱れやすくなります。また、幼少期の指しゃぶりは成長とともに自然に消えるのが一般的ですが、続けられると、噛み合わせた状態でも上下の前歯に隙間が生じてしまいます。
これらの癖は、装置だけでは改善できません。根本的な改善には、お子様本人の意識向上と家庭でのサポートが不可欠です。しかし逆に言えば、成長期だからこそ、口腔機能の育成と歯並びの改善を並行して行える最大のチャンスでもあるのです。
症状がない場合でも、定期的な観察が大切
上記のいずれかに該当する場合はもちろん、特に明らかな症状がない場合でも、6歳~8歳のタイミングで一度、小児歯科に相談することをおすすめします。将来的な歯並びの予測と、必要に応じた早期対応の提案が受けられます。
当院では、お子様一人ひとりのお口の状態を丁寧に診査し、必要に応じて床矯正などの拡大装置を用いた予防的なアプローチをご提案しています。治療の流れや費用についても、詳しくご説明させていただきます。ご不安な点や疑問があれば、お気軽にお問い合わせください。
4. 小児矯正の主な種類|代表的な4つの装置と特徴を比較
小児矯正に使用される装置には、さまざまな種類があります。お子様の症状、年齢、ご家庭の希望に応じて、最適な装置を選択することが治療成功の鍵となります。以下に、代表的な4つの装置とそれぞれの特徴をご紹介します。
床矯正(しょうきょうせい)
床矯正は、取り外し可能な義歯のような装置を使用する治療法です。5歳から8歳くらいのお子様によく使われ、小児矯正の中でも特に一般的な選択肢となっています。
装置のネジを定期的に回して、少しずつ顎を広げていきます。歯そのものに強い力をかけるというよりも、装置の床部分が顎の骨に加わる力を利用するのが特徴です。1日12~20時間の装着が推奨されており、多くのケースで約1年程度の治療期間を想定しています。当院でも床矯正を提供しており、1~3ヶ月に1回程度の調整を通じて、お子様の成長に合わせた段階的なアプローチを行っています。
最大のメリットは、清掃性の高さです。装置を外して通常通り歯磨きやフロスを行えるため、虫歯のリスクを大幅に軽減できます。これは、矯正中の口腔衛生管理において非常に重要なポイントです。
ただし、取り外しが自由にできるため、紛失のリスクがあります。また、装着時間の管理が成功の鍵となります。装着時間が不足すると、顎が思うように広がらず、予定された効果が得られなくなる可能性があります。そのため、ご家庭でのサポートと、お子様本人のモチベーション向上が大切です。
プレオルソ(マウスピース型装置)
これは、歯並びそのものを直接動かすのではなく、「口の周りの筋肉」を整えることで、根本原因から改善を目指す装置です。歯並びの悪化に至った背景にある悪習癖(口呼吸、舌癖)を改善することに重点が置かれています。
夜間と日中数時間の装着が一般的です。装置自体がシンプルで、違和感が比較的少ないというメリットがあります。また、歯並びだけでなく、お子様の口腔機能の発育そのものを改善できるという点が、他の装置にはない大きな特徴です。
ただし、効果は装置の使用方法と、ご家庭での協力に大きく左右されます。装置を正しく装着できていなければ、期待した効果を得られないという課題があります。
インビザライン・ファースト(透明マウスピース型矯正)
乳歯と永久歯が混在する時期のお子様向けに設計された、透明で目立たないマウスピース型の矯正装置です。デジタル技術を活用した高精度のシミュレーションにより、歯の移動を事前に可視化できます。
約1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換し、段階的に歯を動かしていく方式です。透明なため、学校生活やスポーツ時に目立たないというメリットがあり、特に見た目を気にするお子様に好まれています。
1日20時間以上の装着が推奨されており、取り外し可能なため清掃性も良好です。しかし、本人の装着管理が成功を左右するため、自己管理能力がある程度必要になります。
固定式装置(急速拡大装置・リンガルアーチなど)
これは、本人が取り外すことができない固定型の装置です。24時間装着されるため、装着時間の管理の手間が不要です。確実に顎を広げたり、歯の位置を維持したりすることができます。
ただし、清掃が難しくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。そのため、毎日の正しい歯磨きと、定期的な専門的クリーニングが不可欠です。また、装置そのものが口の中にあるため、違和感や食事時の不便さを感じるお子様もいます。
装置の特徴一覧
装置の特徴を表にまとめました。
| 装置の種類 | 対象年齢 | 装着時間 | 清掃性 | 自己管理 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 床矯正 | 5~8歳 | 12~20時間 | 良好 | 必要 | 顎を拡大、虫歯リスクが低い |
| プレオルソ | 6~10歳 | 夜間+日中数時間 | 良好 | 必要 | 口腔機能の改善に重点 |
| インビザライン・ファースト | 7~12歳 | 20時間以上 | 良好 | 必要 | 透明で目立たない、高精度シミュレーション |
| 固定式装置 | 6~12歳 | 24時間 | 難しい | 不要 | 確実に拡大、清掃に注意が必要 |
※対象年齢・装着時間は一般的な目安です。お子様の状態によって異なります。
装置選択のポイント
最適な装置を選ぶには、お子様の年齢、症状、性格、ご家庭の環境などを総合的に考慮する必要があります。例えば、自己管理が難しいお子様には固定式が、見た目を気にするお子様にはインビザライン・ファーストが、口腔機能の改善を目指す場合にはプレオルソが向いているかもしれません。
当院では、それぞれの装置の特徴を詳しくご説明し、カウンセリングを通じてお子様に最も合った治療方法をご提案させていただきます。治療中の効果確認や経過観察も定期的に行いますので、ご不安なことがあればお気軽にお尋ねください。

5. 気になる費用と期間の目安|成長期の治療と本格矯正の相場
小児矯正を検討する際、多くの保護者が最も気になるのが「費用」と「期間」です。これらは装置の種類、お子様の症状の程度、通院頻度によって異なりますが、ここでは一般的な相場と目安についてご説明します。
なお、費用の相場は、一般的に使われる「第1期治療(成長期の治療)」「第2期治療(永久歯が生え揃った後の本格矯正)」という区分に沿ってご紹介します。前述のとおり、当院では段階を分けずに、お子様の成長に合わせて一貫した治療を行っています。
成長期の治療(第1期治療)の費用と期間
成長期の治療は、顎の成長を正しい方向へ導き、永久歯が並ぶための土台を作ることが目的です。治療期間は、装置の種類や症状によって個人差が大きくなります。
床矯正の場合、治療期間は多くのケースで約1年程度です。費用相場は20万円~50万円程度で、定期的な調整料金が別途かかることがあります。当院では、1日12~20時間の装着を基本としており、約1年で顎の拡大効果を期待しています。
プレオルソなどのマウスピース型装置は、治療期間が1年~2年程度となることが多く、費用相場は15万円~40万円程度です。これらは口腔機能の改善に重点を置いているため、癖の改善が進むにつれて、効果が徐々に現れます。
インビザライン・ファーストの場合、治療期間は1年~2年半程度で、費用相場は30万円~60万円程度です。透明で目立たず、高精度なシミュレーションが可能である分、他の装置よりも高額になる傾向があります。
固定式装置(急速拡大装置など)を用いた場合、治療期間は数ヶ月~1年程度で済むことが多く、費用相場は20万円~50万円程度です。ただし、清掃が難しく、虫歯リスクが高まるため、定期的なメインテナンス費用が追加でかかります。
永久歯が生え揃った後の本格矯正(第2期治療)の費用と期間
永久歯が生え揃った後に本格的な矯正が必要になった場合は、細かな歯並びの調整と、最終的な咬み合わせの完成が目的になります。
成長期のうちにしっかりと土台が整えられていれば、本格矯正の費用と期間は大幅に軽減される可能性が高いのです。一般的な相場としては、30万円~100万円程度で、治療期間は1年~2年半程度です。成長期の治療を経ずに大人になってから矯正を始める場合の費用相場が70万円~120万円、期間が2年~3年以上となることを考えると、早期対応によるコスト削減の効果は明らかです。
トータルコストの視点
ここで大切なのは、成長期の治療と本格矯正を合計した「トータルコスト」で考えるということです。
成長期の治療に20万円~50万円かかったとしても、その結果として本格矯正の費用が大幅に削減できたり、期間が短縮できたりすれば、長期的には家計への負担が軽くなる可能性が高いのです。さらに、成長期にしっかり対応することで、将来的に「抜歯が不要になる」という医学的メリットが実現すれば、それはお金には換算できない価値があります。
また、別の視点として「成長期の治療だけで終わるケース」も存在します。症状によっては、顎の成長を正しく導き、永久歯が自然と整った配列で生え揃えば、本格矯正が不要になることもあるのです。この場合、トータルコストは成長期の治療費だけで済むわけです。
保定期間の費用
矯正治療が終わった後も、リテーナー(保定装置)を装着して、歯の後戻りを防ぐ保定期間があります。一般的には、歯の移動期間と同じくらいの期間、保定装置を装着します。保定装置の費用は装置の種類によって異なりますが、5万円~15万円程度が目安です。さらに、定期的なメインテナンス(3ヶ月~6ヶ月に1回)には、1回あたり3,000円~5,000円程度の費用がかかります。
費用面での不安を軽減するために
小児矯正の費用は、決して安いものではありません。しかし、長期的な視点で、お子様の一生の歯の健康と、将来的な医療負担を軽減することを考えれば、早期対応は十分な価値があると言えます。
当院では、初診のカウンセリングで、お子様の症状に応じた詳細な治療計画と費用の見積もりをご提示させていただきます。ご不明な点やご心配なことがあれば、お気軽にお尋ねください。治療中の定期的な経過観察も通院いただきながら、丁寧にサポートさせていただきます。
6. 後悔しない歯科医院選びと治療を成功させるための3つのポイント
小児矯正は年単位の長い付き合いになるため、歯科医院選びは非常に重要です。「後悔しない医院選び」と「治療を成功させるための3つのポイント」についてご説明します。
ワンストップでの総合的なケアが可能な医院を選ぶ
矯正治療中は、装置が障害となって歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが大幅に高まります。これは避けられない課題です。だからこそ、矯正専門だけでなく、一般歯科を併設している医院を選ぶことが非常に重要なのです。
当院のように矯正と一般歯科の両方を提供している医院であれば、矯正装置の調整と同日に、歯科衛生士による専門的なクリーニングやフッ素塗布が受けられます。矯正中に虫歯が見つかった場合も、別の医院へ行く手間がなく、矯正計画を止めずにスムーズに連携できます。
これにより、治療期間中の虫歯リスクを最小限に抑え、矯正終了後も継続してメインテナンスを受けられるという大きなメリットがあります。
正しいセルフケア習慣の育成に力を入れている医院を選ぶ
矯正治療中は、お子様にとって「最も虫歯になりやすい時期」です。この時期にプロの指導を受けて正しい歯磨き習慣やフロス・歯間ブラシの使い方を身につければ、それは一生モノのスキルになります。
多くのお子様は、矯正装置がついていない状態での歯磨きに慣れており、装置がついた状態での清掃方法を自分で習得するのは困難です。歯科医師や歯科衛生士による丁寧な指導があれば、効率的に正しい方法を学べます。そしてこの習慣は、矯正終了後も一生涯にわたって、お子様の歯の健康を守る基盤となるのです。
予防歯科に力を入れている医院選びが、単なる「今の歯並び」だけでなく、「将来の全身の健康」につながるのです。
お子様本人と保護者の両方に寄り添うコミュニケーションを大切にしている医院を選ぶ
小児矯正の成功には、歯科医師の技術だけでなく、お子様本人のモチベーションと、保護者のサポート体制が不可欠です。
例えば、床矯正やマウスピース型装置の場合、装着時間の管理が治療結果を左右します。お子様が「やらされている」という受動的な気持ちでは、装着時間が不足してしまいがちです。逆に「自分の歯をきれいにするために頑張ろう」という主体的な気持ちを持てば、自然と協力体制が整います。
このようなモチベーション管理には、お子様と保護者に対する丁寧なコミュニケーションが重要です。治療の進行状況を分かりやすく説明し、装置の使い方や生活習慣の改善についても、押し付けるのではなく、一緒に考えるというスタンスが大切です。
また、ご不安や疑問に対して、いつでも相談できる環境が整っているかも確認すべき重要なポイントです。
当院での取り組み
当院では、上記の3つのポイントすべてに力を入れています。矯正と一般歯科を並行して行うことで、総合的なケアを実現し、装置装着中の虫歯リスクを最小限に抑えています。また、歯科衛生士が、お子様一人ひとりに合わせた丁寧なセルフケア指導を行っています。さらに、治療中の経過観察では、お子様と保護者の両方に分かりやすくご説明し、モチベーション維持をサポートさせていただきます。
初診のカウンセリングでは、治療の必要性や進め方、費用についても丁寧にご説明します。ご不明な点やご心配なことがあれば、お気軽にお問い合わせください。お子様の将来の歯の健康を、一緒に目指し、サポートさせていただきたいと思います。
関連ページ
当院の小児矯正(床矯正)やマウスピース矯正については、こちらのページもご覧ください。
執筆者・監修情報

【監修】シリウス山の手歯科 院長 島貫 光裕(しまぬき みつひろ)
診療科目:予防歯科/虫歯治療/歯周病治療/小児歯科・矯正歯科/審美・ホワイトニング
「できるだけ削らず、抜かない」を治療方針とし、『日本小児矯正研究会』所属歯科医院として、歯を保存する保存的な矯正治療に取り組んでいます。
略歴
1985年3月 函館ラ・サール高等学校 卒業
1992年3月 北海道大学 歯学部 卒業
1992年〜1997年 北海道大学歯学部 第2保存学講座(歯周病学) 在籍
1997年〜2001年 とだて歯科医院 分院長
2001年4月 シリウス歯科クリニック 開業
2018年3月 シリウス山の手歯科 開院
所属学会・所属団体
- 日本歯周病学会 会員
- 日本小児矯正研究会 評議員
- 国際歯周内科学研究会 会員
- 日本保育歯科協会