皆さまこんにちは!ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか?みなさん楽しく過ごせたでしょうか?
私はこれから展開する取り組みについて整理していました。皆様のお役に立てるよう頑張りますのでよろしくお願いします。
ところで、今年から始めたデュアルホワイトニングとミラクルデンチャーが好評です。
ホワイトニングは確実に効果が出ております。歯が全体的に明度が上がって白くなってきます。
術前 術後
ミラクルデンチャーも鍵をかけたようにカチッとはまり、快適な入れ歯に仕上がりました。患者さんは満足されているようです。さらに歯周内科も近日取り組む予定です。ご期待ください!
あと、ホワイトニングは本当にお得ですよ。是非お試しください。
歯科で行う構音訓練
それでは今回も前回の内容の続きとなります。
歯科で行う構音訓練は次の5つあると前回触れましたね。
- 食育
- 呼吸機能訓練
- 舌機能訓練
- 嚥下機能訓練
- 口腔周囲筋訓練
①食育
まず、①の食育ですが、脳や構音器官を生活の中で自然に成長発育させる方法です。
何もとりわけ難しいことではありません。食事はよく噛んでしっかり飲み込むことです。
機能障害には、前歯や奥歯を使って噛む食育なしに機能訓練してもうまくいかないようです。
しっかり噛んで脳を刺激することが歯科で行う最も重要な構音障害に対する構音訓練になります。
噛むことの刺激が脳の運動野、ブローカー野、ウェルニッケ野などの言葉を話すための脳を活性化します。
噛んで飲み込むことはすべての構音器官(口唇、口蓋、顎、舌、咽頭、声門)を使います。
その食事の基礎を作るのは前にも言いましたが「哺乳」です。哺乳の重要性はもうご理解いただけましたでしょうか?
口腔機能発達不全症のお子様と、保護者の方に是非伝えたい食育があります。
- 前歯がぶり
- 足底接地
- 水やお茶は食後に
これを実行することで中顔面の前方成長を促し、脳の前頭葉を刺激していきます。
実際の食育ではどうするのでしょうか。
・前歯がぶり
手づかみでかぶりつく食事を一日に一回出してください。一口量を身につけたり、30回以上噛むことを自然にするようになります。
・水分コントロール
水分の少ない食物を出して、よく噛んで飲み込ませてください。お水を与えてはダメです。こうすることによって強い力が舌から上あごにかかり、上顎骨を広げる助けになります。
・食材
30回噛まないと飲み込めない食材を提供しましょう。ただし、飽きてしまうので複数の食感のあるものを混ぜて出すのか秘訣です。
・一口量
幼児期は一口量を覚える非常に大切な時期です。この時覚えた一口量は高齢になっても引き継がれます。将来誤嚥性肺炎を起こさないようにするため、前歯がぶりをさせて一口量を覚えさせましょう。
・おやつ
おやつは砂糖を使わない自然な甘みのあるもので、スティック状のゴボウやきゅうりなど、「前歯がぶり」ができるものを与えましょう。
・離乳食
「前歯がぶり」ができるようになるために、離乳期の食べさせ方に配慮しましょう。
一番大事なのは、子供に与えられた食べ物を自分で取ってもらうことです。小鳥のひなの口の中に食べ物を親鳥が入れるような与え方ではダメなのです。
離乳食を与えるのにスプーンを使われると思いますが、正しい与え方を教えましょう。
まず、離乳食を載せたスプーンを下唇に触れさせましょう。そして上唇が閉じるのを待ってください。上唇を使って食べ物をつかみ取る習慣が「前歯がぶり」の基礎となります。
逆に離乳食を与えるときやらないほうが良いこともお伝えしておきます。
- スプーンを下唇ではなく上唇に付けること
- スプーンを奥舌(舌の奥のほう)に置く
- スプーンを斜め上に引き抜く
このように離乳食を与えているようでしたらやめるようにしてくださいね。
・足底接地
これは食事の時は正座か足が床に接地する椅子で食事をさせましょう。咬合力が増すのです。しっかり噛めるようになります。
・水やお茶は食後に
これはお判りでしょうか。しっかり噛むことのじゃまになります。他のブログで述べていますが、これと反対は”水洗式食事”です。噛まないで流し込んでしまう飲み込み方です。昔の食卓でもお茶や水は食後に飲んでいましたので、食事中に飲むのは誤った食事の仕方です。
食育の問題はあとでまた詳しく触れる予定です。
②呼吸機能訓練
次は②呼吸機能訓練です。
呼吸には口呼吸と鼻呼吸、腹式呼吸と胸式呼吸があります。歯科では鼻呼吸と胸式呼吸を重視します。例えば息止め訓練や肋間筋ストレッチなどがあります。呼吸がよくなると姿勢も良くなります。
③舌機能訓練
③舌機能訓練です。
舌の動かし方を鍛えます。舌尖をいつも付けておく位置を覚えるスポットポジション、舌全体を吸い上げて「ポンッ」と舌を離して舌を持ち上げる力を強くするポッピング、舌出し訓練、舌回し訓練、舌筋ストレッチ、リップトレース、ガムトレーニングなどがあります。
この中で、ガムトレーニングは当院で当初から行っているものです。簡単で飽きが来ない訓練法です。
これは舌の動きを鍛え、舌の動き方や能力をみる訓練と検査の両方を兼ねています。
ではやってみましょう!
まず、粒ガムを1個用意してください。クロレッツの粒ガムが良いです。
これをまずよく噛んでもらって舌の上でボール状に丸めて見てください。
飲み込むときに舌の真ん中に食べ物(食塊)を集めて上あごに押し付けます。ガムをボール状に丸めて舌の真ん中にのせる事で舌のコントロールを確認します。
きれいに丸めることができればOKです!丸めることができなければ舌のコントロールができないので練習が必要です。
次に舌の筋力の判定です。
ガムを上あごの中央にギューッと押し付けてください。
どうですか?鏡で確かめてください。
OKなのは上あごの中央にガムを広く押し付けることができています。
NGその1:ガムが前歯の裏につく
これは舌を上に挙げる筋力が弱く、舌のコントロールができていません。
NGその2:ガムが変な形になる
これは舌の力が均等に働いていない、または誤って何回も舌を動かして押し付けています。
NGそも3:ガムの形が小さく、広がっていない
これは舌を上に挙げる筋力が弱い状態です
NGでしたら練習してできるようにしましょう。
最後に飲み込む(嚥下)時の正しい舌の動きを調べます。
飲み込む時は、上あごに舌で食べ物を押し付けながらのどに送ろうとします。この後ろに送る動きをガムで確認します。
ガムを上のあごにつけたまま、つばをゴックンと3回のんでみてください。
また、鏡でみてみましょう。
OKなのは中央にあるガムが舌の飲み込む力で広がって形が変った状態です。
NGはガムの形が変わっていません。
これは舌が前方に出たり、間違った飲み込み方をしている場合です。
いかがですか?簡単にガムを使ってトレーニングできるので、ちゃんとできるように練習してみてくださいね。
当院ではこのガムトレーニングは小児の矯正治療のバイオファンクショナルセラピーとして、下顎前突や開咬の子供に対し行っております。舌の問題は歯並びに影響します。早期に取り組んで治しておかなければならない項目です。
他にあいうべ体操や当院で販売しているタッチスティックというものを使ってのトレーニングがあります。
あいうべ体操はこちらから検索して是非やってみてください。
タッチスティックはスティック状のプレートの溝に上下の前歯を合わせてくわえます。
その時舌尖をプレートのスプーン状になっているところに載せて舌全体を口蓋に付けることで舌の正しいポジションを身につけます。
④嚥下機能訓練
④嚥下機能訓練は主にドリンキングといって実際に水を飲んでもらい正しい飲み込み方を練習します。
⑤口腔周囲筋訓練
簡単にやる方法は、ゴム風船を買ってきて膨らませてみてください。最近はできない子供が多いです。膨らませることで口腔周囲筋が鍛えられます。当院ではリットレメーターという器具を用いて筋トレをします。マウスピースをリットレメーターに接続して思いっきり器具を引っ張ります。筋力を測りながら鍛えますので是非試してみてください。
これらを実行して訓練し、構音を正しくしていくことができます。